子育て×哲学×社会学「この青空を、君へ」

父から息子へつなぎたい思想

生き様をどう息子に伝えるか

私の父は、私が中学3年生から大学3年までの約7年単身赴任をしていた。その間、「男は兄ちゃんだけだから、母さんと妹二人を頼むぞ」と言われた。

ただ、父は単身赴任先から毎週金曜日の夜に帰ってきて、日曜日の夜か月曜日の朝に帰っていった。そんな生活を7年間やり通した。

そして、毎週金曜日か土曜日の夜中は、父と息子タイムだった。

妹2人が寝た頃、「よし、行くか」と誘われる。行き先は、ラーメン屋だったり、寿司屋だったり。

そこで夜食を食べながら、1週間の出来事を話すのだ。

父はよき相談相手であり、よき指導者だった。ただ、答えはくれない。くれるのは選択肢。答えを出すのはあくまで自分。

7年間週末必ず帰ってくるという、その姿に父の生き様を感じたし、父の言葉からたくさんのことを学んだ。

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私も息子に自分の生き様を伝えていきたいと思う。対話だったり、言葉を残したり。

30代の半ばに『ビジネスマンの父より息子への30 通の手紙』という本と出会った。これもまさに父から息子への生き様の伝授のスタイルだ。

著者は息子が17歳から35歳までの約20年間息子への手紙を送った。そのきっかけは2度の大きな手術から、財産や事業ではなく、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウを伝えたいとの思いから筆をとったという。

各手紙の最後に「〇〇より」と書かれているのだが、それがとてもユーモラスだ。例えば

子煩悩の親父より
君の進路指導教官より
カヌーの相棒より
同じ道を志す友より
君に拍手を送る聴衆のひとりより

ただ、最後の30通目のそれを見た時、私は涙が止まらなかった。こどもを持つ親にはぜひ読んでもらいたい一冊。

私の父は『厳しい眼差しと溢れる愛情』とよく言う。まさにこの著者の父からもそれを感じる。

さぁ、自分はどのように息子に生き様を伝えようか。