最近よく聞く組織コンサルの会社の方とお話しする機会をいただいた。
社長の著書もベストセラーのようだ。
モチベーションはマネジメントできない
モチベーションは、上向く時もあるし、下がることもある。
ここまでは、私も共感。
マネジメントすべきは、(全部で130個の理論があるようだが、例えば)誤解と錯覚を取り除き、社員の迷いを取り除いてあげること。
3×3=9と答える時、錯覚も誤解もない。 トップが、3×3=8とか、7とか言ったりするから、社員の行動が間違えてしまうのだ。
ここまでも言っていることはよくわかる。
人と人との相性は、やっかいな変数だからその変数をできる限り取り除いて、再現性を高める。
一人一人は人間というより、それぞれが役割をはたしている機能であると定義している。
ここで、僕の魂が揺らいだ。
「人間」というより「機能」
たしかに再現性を高めることができれば、例えば他店舗展開しているような事業においては、業績は上向くだろう。
機能として、代替可能であれば、
錯覚も誤解もないから、同じようなアウトプットもでるだろう。
ただ、これは機械論パラダイムの考え方で、生命論パラダイムではない。
成長より持続が今後のトレンドになるだろうし、ちょっと一時代前のマネジメント論のような気がしてしまった。
130個も理論あるうちの一個を紹介してもらっただけなので、そうではない理論もあるのかもしれないが。
僕も外食の店舗運営をしていた時は、50名近くのアルバイトさんが働いてくれていた。日々シフトに入るメンバーも違う。
みんな、それぞれ目標や夢を持ってアルバイトをしていた。
ある子は建築家になりたいと言った。
ある子は保育園の先生になりたいと言った。
ある子は司書になりたいと言った。
ある子は検察官になりたいと言った。
ある子は舞台衣装を作りたいと言った。
僕はその子達に、夢や目標とアルバイトがなるべく結びつく様に仕事を割り当てた。
そんな目標や夢を持った子たちを、当時僕は「機能」として働いてもらおうと思えたか?
そんなの絶対無理だ。
「機能」じゃない。
「人間」だ。
錯覚も誤解も迷いも失敗もする。
でも、それを互いにカバーし合いながら、その日の営業をしていく。
再現性はある程度あったほうがいい。
でもそれを突き詰めてしまったら、交換可能な機械の部品と一緒だ。
再現性を求めつつ、人としての一回性に重心を置いた仕事。
それを組織として挑戦する方が、何倍も難易度は高いけど、何倍もやりがいある仕事と思う。
そして、君へ
世の中はいま
「成長」から「成熟」へ
「拡大」から「持続」へ
機械論パラダイムから、生命論パラダイムへ
向かっていると思う。
その環境の中で、君らしいマネジメント論を展開してほい。