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『葬送のフリーレン』第2期 第31話「好きな場所」より-成果に回収されない時間こそが、記憶に残る

2026年1月30日金曜日放送の『葬送のフリーレン』第2期第31話「好きな場所」。 今週のフリーレンも良かった。  

くだらないけど、かけがえのない冒険

  魔王を倒すという目的がありながらも、寄り道をしたり、細かな人助けをしたりする勇者ヒンメル。
  それに対して、第1期第6話『村の英雄』の回の回想シーンでドワーフの戦士アイゼンは、問う。
 

「こんなことをしていていいのか?
俺たちだって生きて帰れるかどうかわからないんだ」

  ヒンメルの答えはこうだ。
 

「アイゼンは、辛く厳しい旅がしたいのかい?」

「僕はね、終わった後にくだらなかったと笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ」
 

そして今週のフリーレン。
エトヴァス山の秘湯を目指したフリーレン、フェルン、シュタルク、それは過酷な道のりで労力に合わないというフリーレン。
  それでも行きたいと言ったシュタルク。
それは師匠アイゼンもヒンメル達と行った場所だったから。
  回想シーンでアイゼンは言った。
 

「実にくだらん冒険だ。
だが不思議なものでな、仲間と共にしたくだらない冒険は、どれも掛け替えのない記憶として残っている。

俺はあの景色が忘れられん。」
 

そしてシュタルクも言う。
 

「確かに、いい景色だ」
 

見田宗介社会学入門』に見る「生きられた時間」

  こういうシーン見ると、見田宗介氏の『社会学入門』のこの一節を思い出す。
 

バスを待つ時間はむだだという感覚はなくて、待つ時には待つという時間を楽しんでしまう。

時間を「使う」とか「費やす」とか「無駄にする」とか、お金と同じ動詞を使って考えるという習慣は「近代」の精神で​(Time​ ​is​ ​money​ ​!)、​彼らにとって時間は基本的に「生きる」ものです。

そういえばぼくたちでさえ、旅でふしぎに印象に残る時間は、都市の広場に面したカフェテラスで何もしないで行き交う人たちを眺めてすごした朝だとか、海岸線を陽が暮れるまでただ歩きつづけた一日とか、

要するに何かに有効に「使われた」時間ではなく、ただ「生きられた」時間です。
 

僕たちは、コスパ(コストパフォーマンス)、ダイパ(タイムパフォーマンス)と成果や効果に目が行きがちになる。時間をいかにうまく「使うか」に囚われすぎている。
  だからこそ、こうした「生きられた時間」というものを大切にしたい。
 

お花畑を出す魔法

  そして、僕が何より好きなのは、フリーレンという大魔法使いの1番好きな魔法が、
  「お花畑を出す魔法」
  ということだ。
  それは、魔王を倒す役には立たないかもしれない。
でも、誰かの心を温かくし、記憶に残る景色を作る。
  成果に回収されない時間や魔法こそが、人生を豊かにするのだと思う。
 


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