子育て×哲学×社会学「この青空を、君へ」

父から息子へつなぎたい思想

直観は過たない 過つのは判断である-田坂広志『風の便り第2便』より-

田坂広志先生の風の便り第2便「直観は過たない」より

これだ!と心が動いて行動しようとする
ただ、冷静になって色々と検討すると
とどまったほうがいいと考えて止めてしまう。

そんな経験はよくある。

だけど、その時は直観を信じるようにしている。
慣性の法則で、現状に留まりたい理由を探しているだけ
と考える

2020年に都内から引っ越しを決めたときもそう。

引っ越そう!と決めて動き出すと
やはりどこかで、

 本当によかったかな
 この場所でよかったかな
 今の暮らしもここがいいよな

という考えが過る。

ただ、そうなるのは折込済み。

最初の直観を信じて行動する。

ただ、守りの意味での検討はしたほうがいい。

つまり、この挑戦が失敗した場合
リカバリできるだけの体力があるか
打ち手はあるか

ここは考えておかないとただの無謀になる

社会人大学院に行くと決めたとき
 2年間仕事をしなくても耐えられるか
 耐えられない場合最低どれくらい稼ぐ必要があるか
 
といった計算は行った。

だから、君へ

直観は過たない、過つのは判断である。

ただし、

直観を信じたなら、
直観を支える守りは整える必要があるよ。

守りにも目を向けながら、存分に直観を信じて動け!

この青空を、君へ

直観は過たない 「風の便り」五季 第2便
 直観は過たない。
 過つのは判断である。 


 この言葉は、勝負ごとの世界において、
 しばしば語られる格言。


 そして、この言葉の真実は、
 ビジネスの世界においても、
 熟練の経営者やリーダーならば、
 いつも経験的に感じていること。


 難しい意思決定を前にして、
 最初にピンと感じる直観がある。
 それは、「ノー」という答えを教えているのだが、
 色々と情報を集め、分析し、検討していくと、
 答えは逆のように感じられてくる。
 そこで、「イエス」と判断し、その方向に進むと、
 結果は、裏目に出る。


 熟練の経営者やリーダーならば、
 必ず、そうした失敗の経験を持っています。


 直観は過たない。
 過つのは判断である。


 この言葉は真実。


 しかし、この言葉が、
 経営者やリーダーの口から、
 明確に語られることはありません。


 現在のビジネス社会において、
 この言葉を語ることは、無用の誤解を招くだけ。


 それゆえ、この言葉は、
 経営者やリーダーの胸中深く収められ、
 決して、公に語られることはありません。


 しかし、今日も、この言葉の真実が、
 熟練のプロフェッショナルの意思決定において、
 「密かな指針」となっているのです。


 2001年11月8日
 田坂広志

直観は過たない | 田坂広志公式サイト