一部上場企業を辞めた理由の一つに、
創業メンバー達の苦労話しがまぶしかったというのがある。
当時の直属の上司、部長は、それこそ寝食忘れ働いたという。
オフィスに寝袋持ち込んだり、飲み会後にまた会社に戻って働いたり。
立ち上げるためになんでも仕事をこなしたと。
一部上場企業で課長になった僕は、役割が明確に決まっていた。
こんなエピソードがある。
僕がコピーを取りに行くと、パートさんが止めに入った。
「こんな仕事私がやりますから、どうぞ、別のことしててください!」
こんなこともあった。
数千万円の発注書の承認のハンコをいくつも押す。
もちろん経緯もわかっているが、わたしがしたのは、承認のハンコだけ。
このままでいいのかと悩む。
もちろん、その仕事にもやりがいはあり、大きなお金、組織を動かすという経験をさせていただいた。
だか、創業メンバーがしてきた類の苦労は経験できない。
そして、そんな経験がしてみたい。
と、思ってしまったから仕方ない。
その数年後、ベンチャー企業の創業に自分も携わることになった。
正直、自分のやりたいことやるなら、事業部長というポジションが1番集中できると思った。
経営に携わるからには、自身のコアの仕事以外の仕事もある。
就業規則などの法務的な整備。
社員の人事配置や採用、入社の対応。
時には、退社の相談とその対応。
様々な雑務。
切手貼りやら、名刺の発注、資料のホチキス止めといったことまで。
これら、
なんでもやらなければならないし、
やらないと前に進まないし、
やりたい仕事とか好きな仕事に集中したいとか言ってられない。
しかも、立ち上げ期は、売上もまだ上がらないので、お金を使う段階とはわかっているが、資金調達前は、本当に調達できるのか?と、毎月減りゆく現預金残高に背筋が凍る思い。
すごいプレッシャーがある。
でも、これらは望んだ苦労なので、後悔はない。
そして、君へ
なんでもいい。
一期生になってみるといい。
一期生には、先輩がいないので、お手本がない。
なので、1番苦労するだろう。
産みの苦しみだね。
この苦労は、なかなか経験できない。
もちろん、先輩が敷いてくれたレールを大切にする仕事にも価値がある。
だから、欲張って、両方経験できたらいいね。