子育て×哲学×社会学「この青空を、君へ」

父から息子へつなぎたい思想

【本棚・哲学】あえて素樸な線を引く‐『鶴見俊輔の言葉と倫理』谷川嘉浩‐

この本が泣ける。

先日、友人に「理想に張り続けていることがすごいと思うよ」と言ってもらい、とても嬉しかった。
まだまだ、山のいただきは遥か遠いが、それなりの成果もでだして、少しでも業界に貢献できているだろうかと思ってもバチはあたらないだろうか。

大風呂敷を広げて、そんなことできないだろと言われて、でも挑戦し続けてきたと思う。

第二新卒で入った会社で、一番感動を覚えたのは、

「この会社は、夢を語っても馬鹿にされない場所だ」

と思えたこと。

まず、社長が大きな夢を語り、そしてその夢に日付を入れて、日々実行する。

素樸な夢だから、前提なんて取っ払って語るものだから、実行する社員は大変だ。
でも、社長の語る夢にいつもワクワクしていた。

夢を語ったなら、ではどうすればそれができるか?と上司も本部長も一緒になって考えてくれた。
卒業したけど、この会社を背負って生きていると今でも思う理由の一つは、

夢を語る人間を決してバカにしない会社だったからだ。

絶対に無理と言われると、無理かどうかはやってみないとわからないという気持ちが沸々と湧き上がる。

清濁合わせ飲む必要がある。
理念だけでは飯は食えない。
その考えは、素朴過ぎる。

それでもなお、

綺麗事を並べたい。
想いを語りたい。
青くさく在りたい。

できない理由はたくさん見つかる。
だからと言って、
それでも、なお、進みたいと思う自分を否定する理由としてそれは妥当か?

この問いがいつも浮かぶ。

鶴見俊輔が、
目下の状況を引き受けながら、不可能に思える理想に取り込む事それ自体が、この状況の問題を解決してくれるというロジックを採用している。

という言葉に涙が出る。

いつか死ぬ。
全て無になる。

それでも生きるのはなぜ?

その答えの道筋を与えてもらったような気持ちになった。

そして君へ

世の中はたしかに単純ではない
より一層複雑さを増すだろう

それでもなお、素樸な、青臭い、綺麗事を言ってみてもいいのじゃないだろうか。

この青空を、君へ