子育て×哲学×社会学「この青空を、君へ」

父から息子へつなぎたい思想

私はいつも言葉を、詞を大切にしてきました-坂井泉水(ZARD)-

お題「人生で一番ハマったもの」

永遠の憧れ、坂井泉水さん
命日が5/27なこともあり、毎年5月頃に、彼女に思いを馳せる。

「負けないで」を聞いたのは13歳の時。

なんて優しくて、すべてを包んでくれそうで、でもどこかさみしげで、儚くて脆くて、勇気をくれるのに、守りたくなる。

そんな不思議な歌声に魅了された。

そして、彼女の詩の世界にのめり込んだ。

本題ではないので、個別の歌詞に触れるのはやめておこう。

僕は22歳の時大きな失敗をした。
言葉なんて言わなくったって分かるだろ?

そんなメンタリティで、大切な人を失った。

言葉の大切さに気づいたときには
もう遅かった。

その次の壁は

なんでみんなわからないんだ?

だった。

簡単な言葉で伝えているはずなのに
伝わっていない。

いや、むしろ簡単な言葉こそ、丁寧に説明する必要がある。

「青空」

なんて、誰でも分かる言葉。

でも、心に描く「青空」は人それぞれで、
仮に同じ「青空」を見ていたって、本当に同じ「青空」が見えているかは誰にもわからない。

人の数だけ「青空」があると言ってもいい。

じゃあ、伝えることを諦める?

言葉には限界がある。
でも、僕たちは言葉でつながっている。

仮に「同じ青空」が見えていないとしても、
あたかも「同じ青空」を見ていると信じて生きる事ができる。

共感しあい、共鳴しあい、交感しあう事ができる。

逆にその「信」がなければ、共感も共鳴も交感もない。

言葉の限界をわかりつつも、諦めない姿勢でいたい。

それが22歳の時に決めたことだった。

つまり、「どうしたら人は分かりあえるのか?」

この問いが根底にあり、
その解決策には、限界があるとはいえ言葉しかない。

ゆえに、言葉を磨き続けたい。

これが僕の根本思想だ。

私はいつも言葉を、詞を大切にしてきました。

LIVE映像で見たこの言葉。
やっぱりそうだったんだと嬉しい気持ちになった。

坂井泉水さんが、言葉を、詩を大切にしてきたように、僕も言葉を大切にしたい。

その延長線上に哲学を学ぶ理由がある。
神話や宗教的な物語は、人の心を揺さぶる。ただし、共同体の域を出ない限界がある。

言葉を徹底的に磨いて、人種を超え、国境を超え、

人の数だけある「青空」を、それでもなお、同じ「青空」を見ていると信じて生きられるように、言葉を磨き続け、伝え続けます。

親愛なる坂井泉水さんへ

この青空を、君へ