子育て×哲学×社会学「この青空を、君へ」

父から息子へつなぎたい思想

【本棚・哲学】「大丈夫」より「なんとかなる」とつぶやく-『スマホ時代の哲学』谷川 嘉浩- を読んで①

谷川 嘉浩さんの『スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険』を読んで、思考が刺激されている。

今の時代は、常時接続の時代だからこそ、孤独を持ち、自己対話の時間を確保することが大切ではないかという主張。

常時接続の世界には、簡単に、気軽に、答えが出るもの、スッキリできるものが溢れている。

でも、人間には、長い時間かけて、それでも消化しきれないような、モヤモヤや答えの出ない事に向き合う事も必要で、その時間が現代は特に持ちにくいという問題提起は共感できる。孤独の時間をどう過ごすか、ということもいくつか書かれているので、いくつかの投稿に分けてまとめたいと思う。   

ZARDの『君に会いたくなったら』の歌詞にこんな一節がある。

大丈夫だと言う君の言葉が
一番大丈夫じゃない

我が師田坂広志先生の著書にもよく書かれている。
ポジティブな想念を抱く時、同じ力のネガティブな想念が無意識下に生まれる、と。

  • 俺はできる!
  • 俺は大丈夫!

とポジティブに考えようと努めるとき、ほんとにできるのか?ほんとに大丈夫か?というネガティブな想念が裏に生まれる。

孤独な時間を持ち、自己対話をしているとしばしば、大丈夫!と励ます自分と、本当に大丈夫か?という自分が言い合いになる。

田坂広志先生曰く、それを鎮めるためには、「無邪気」になることらしいのだが、無邪気になろうと思って無邪気になることはなかなかに難しい(^_^;)

その代わり、こういうことをしている。

  • 自分を励ましたり
  • 自分を奮い立たせたり
  • 大丈夫だと言い聞かせたり

そんなことはしない。ただ、ただ、

 なんとかなる

と、口にする。

どう転んだって、なんとかなる。どんな結果になっても、振り返ったらそれでよかったんだって思える事になる。

そうやって生きてきたじゃないか。

こう自己対話する。

奮い立たせたり、言い聞かせたりして乗り越えてきた時期もあった。そういう瞬間も必要かもしれない。だけど、常にそのやり方で乗り越えるには、やっぱり体がもたない。

そして、君へ

君が生きる時代は、常時接続の時代。
だからこそ、一人、孤独に自己対話する時間も大切にしてほしい。

行き先不透明な時代だからこそ、うまく行かないこともあるだろう。
仮に望まない結果を目の前にしたとしても、ドラゴンボール孫悟空のこの言葉を言い続けたい。

「まっいっか!」

この青空を、君へ