オススメの書籍を教えてくださいと聞かれることがある。
応えるのが難しい質問トップ3のひとつだ。
(あと二つは?)
私がよく本を読んでいるというイメージを持っていただいて非常にありがたい。
ただ、何度か書いたことがあるが、私は30歳までほとんど本は読まなかった。
今でも文学の類はほとんど読まない。
かなり偏りがあるので、オススメの本を教えてくれと言われて、本当にその人にあった本が紹介できただろうか?と不安で夜も眠れなくなる。
(すいません盛りました)
とはいえ、自分なりの人生をゆたかにする良書との出会い方の方法論は持っているので、少しでも参考になればと思い書き残しておこう。
よく誤解されているであろうこの3点を意識することで、人生をゆたかにする良書と出会える確率が格段に上がると思う。
「著者の主張」より「自分の解釈」を大切にする
「良書と出会う」という目的においてという前提を敷くならば、1番目はとても大切だ。
「情報収集」が目的の読書であれば、事実かどうかや正しい解釈は必要だ。
ただ、自分のための読書であれば、その要素はいらない。どちらかといえば、その本に書かれていることをどう解釈し、どう現実の課題と結びつけるか、他の知識と関連させて新たな着想を得るか。そのことが大切だ。
ピース又吉さんYouTubeチャンネルでインスタントフィクションというものがある。
400文字を使った仮想の文章に対して、又吉さんが独自の解釈を入れていく。この解釈が実に面白く、又吉ワールドへ誘われる。正直作者の主張はそっちのけだ。インスタントフィクション自体が作者が結論であったり、その解釈であったりを読者に委ねている部分があるので、読者の解釈の自由度があがる。
これは普段の読書においても同じことが言えると思う。自分の解釈をどういれるかだ。
「速読」、「多読」をしたからといって、血肉になるとはかぎらない
以前10万円近くする一泊二日の速読セミナーに通ったことがある。確かに読むスピードが上がった。でも気づいたことがある。本が早く読めるからといって、理解力も上がったかと言われれば決してそういうわけではない。
同じくたくさん読んだからといって、知識がたくさんつくわけではない。早く読むことと多く読む事で、すべて自分の血肉になるとは限らない。
それよりも大切なことがある。
アウトプット前提でインプットする。
日記でもいい、Twitterでもいい、Facebookでもブログでもいい。
アウトプットする前提でインプットを心がけると、自分の解釈力が、著者の主張を超えて、他の知識と突然結びついて新しい着想を生むことがある。
「答えのない問い」ではなく、「答えの出せる問い」を立てる
情報を得たければ、情報発信せよ。
この格言はまさにその通りと思う。
Facebook書いたり、ブログ書いたりしている理由の一つは、情報を得たいからだ。
そして、本から自分にとって今必要なことを得るにも本に対して発信をする。
それは、問いを立てるということだ。
その問いを立てるときに気をつけなければいけない事がある。
「なぜ生きているのか?」とか
「本当の自分とは何か?」とか
答えのない問いを立ててはいけない。こういう問いももちろん大切だが、このような問いの答えをたった一冊の本から得られるわけがない。一生かけて問う問いだ。
哲学者のカントも、極限や究極の問いは経験を超えでて推論するしかないし、その推論を証明することはできないから、答えの出せる問いに集中せよという趣旨のことを言っている。
たとえば、
「目の前の人間関係を改善するための心理学的なアプローチにはどういった方法論があるのか?」
とか
「主張が相容れない場合、落とし所を探るために何をしたらいいだろうか」
とか
大きな問いに関連しつつも、目の前、直近の課題を解決するための具体的な問いにする。
そうすることで、不思議と答えと言わないまでも、ヒントをくれる本と出会う確率があがる。
具体的な問いが思い浮かばない場合は、リアルな書店に行って片っ端からタイトルを読んでいく。そうするとふと自分の目に止まるタイトルが見つかることがある。なんとなくページをめくってみる。そうすると自分の求めていた一文に出会うことがある。
心構えとして、「著者の主張」より「自分の解釈」を大切にすること、「速読」や「多読」に心奪われずに、解釈力を高めるために、アウトプット前提でインプットすること。
そして、その心構えをもって、「答えのない問い」ではなく、「答えの出せる問い」を立てること。
この3つを実践するだけで、人生をゆたかにする良書に出会える確率はぐんと上がると思う。
そして、君へ
君もこれからたくさんの本と出会うだろう。
情報収集のための読書
基礎知識をつけるための読書
趣味の読書
いろいろとあるだろう。
無数にある本の中からの著者との出会いが、君の人生への大切な瞬間になることがある。
速度とか量とかに囚われすぎず、経済合理的な価値とか意味だけに結び付けず
自身の人生をゆたかにするための著書とも出会ってほしい。
この青空を、君へ
記事は以上で終わりですが、役に立ったよ!応援しているよ!という方は記事を購入していただけると励みになります。